検索
かごめPセミナー第5回 アーカイブ

かごめPセミナー第5回 アーカイブ

かごめPのGoldバンドルだけで始めるマスタリング講座

2022.12.21

かごめPセミナー第5回 アーカイブ

かごめPのGoldバンドルだけで始めるマスタリング講座

ミックス/マスリングやボカロP、VOCALOMAKETSなどでも活躍するかごめPさんをお呼びして、 プラグインの魅力や使いどころをお伝えする「かごめP企画」第五弾!
今回焦点を当てるテーマは、マスタリング。これまでミキシングや音作りが中心だった「かごめP企画」でついにマスタリングを取り上げます。どんなプラグインを使うのかわからなくても、Goldバンドルがあれば大丈夫!そしてStudio Rackでマスタリングチェインの作り方も解説。

過去の内容はこちら

第一弾
第二弾
第三弾
第四弾

概要説明

1:18〜
今回はWaves
Goldバンドルでのマスタリングをテーマに解説をしていただきました。

「そもそもマスタリングって何をしているの?」という方のためにマスタリングの歴史から説明をしています。一般的にはリスナーの最終環境に合わせて、音を最終調整する工程をマスタリングと言い、昔はいわゆるマスターテープをレコードに刻むときに、レコードで一番よく聞こえるようにする最後の調整のことを指していました。

それと比べ現代では、DAW上で鳴っている音と視聴環境でそれほど大きな差異はないものの、何を目的に、どういった形で最終調整をしていくのでしょうか?


1曲目のミックスとおまじない

8:25〜1曲目
早速1曲目に取り上げていただく楽曲のマスタリング前と、マスタリング後の比較を行なっていきます。ぜひヘッドホンなどで聴いて比較してみてください、圧倒的な音の迫力の違いがわかると思います。

11:24〜Studio Rackの説明
WavesのStudio RackはDAW上では1つのプラグインとして表示されますが、中に自由にプラグインを挿していわゆるオリジナルのエフェクトチェーンを作ることができるプラグインです。

まずマスタリングを始めるにあたって、マスタートラックに2つおまじないをします。
1.PAZ Analyzerを挿して音を視覚的に見えるようにします。
2.L1というプラグインを挿します。これで一定の音量を絶対に超えないようにすることが可能になります。

ここまでが最初に行うおまじないです。挿すだけでもOKですが、細かい設定や気をつけるべきポイントについては動画内で解説しています。


EQ

26:00〜REQ
WavesのGoldバンドルだとアナライザも見えるRenaissance EQが一番使用しやすいため、そちらを今回は使用します。

今回の曲の場合はロック感を増すために、ギターの迫力を出したり、出過ぎているキックドラムの音を抑えたり、細かな音の調整をEQでしていきます。


コンプレッサー

32:19〜
EQの調整が終わったら続いてはコンプレッサーをかけていきます。

今回は4種類のコンプレッサーをそれぞれ比較していきました。
H-CompVCompC1 CompRCompressorの4つです。
マスタリングにはマスタリング用のコンプレッサーを使用した方がいいと思いがちですが、なければなくても問題ありません。ただし、ちゃんと比較してその曲にあったコンプレッサーを使用していく必要があります。

コンプレッサーをかけるときはドラムの変化が一番分かりやすいですが、今回はボーカルメインの楽曲なので「最も自然にボーカルが鳴るコンプレッサー」を探っていきます。ボーカルが伸びやかに響いているかどうかは、ドラムよりも重視すべき場合も多々あるので、楽曲ごとにそういった指標を持ってコンプレッサー選びを行なっていくことが大切です。

果たして今回の楽曲に合ったコンプレッサーは一体どのコンプレッサーになるのでしょうか?


StudioRackの応用

43:32〜StudioRackの応用編
ここまでは通常のEQとコンプレッサーの解説でしたが、ここからはStudioRackの応用に入っていきます。

StudioRackには「MultiBand Split」と「Parallel Sprit」という機能が存在し、どんなプラグインに対してもマルチバンド処理、MS処理を行うことが可能になっています。

今回はMultiBand Spritの例として、低音にVComp、その他にはH-Compといったように、好きな周波数に好きなコンプレッサーをかけています。コンプレッサーごとの味を活かしたマスタリングが可能になりますね。

51:57〜Parallel Sprit
Parallel Spritは使用することでL、R、MID、SIDEで分割してそれぞれにエフェクターをかけることができます。これによってMS処理をできないGoldバンドルのプラグインでもMID、SIDEで分けて処理をすることができるようになります。

今回の例ではOneKnob DriverでMID/SIDEのミックスを調節することで、音の響きや質感を整えていっています。高級なマスタリングプラグインを持っていなくとも、StudioRackがあればサウンドを細かく突き詰めることができるのは嬉しいですね。

楽曲同士のマスタリング

1:01:30
マスタリングというとアルバムを作る作業もその工程に含まれます。
ここから先は複数の楽曲の質感を整えて、違和感なく聴くことのできるアルバムを作成するコツを紹介していきます。

Studio Rackを使用する利点としては、違うトラックにStudioRackをそのままコピーするだけで全ての設定を一瞬で再現することができます。質感を合わせる際のスピードアップになりますね。

もしそのように設定を使い回すのであればどういった部分を中心に調節を行なっていくべきなのか。
また、楽曲のどの部分を聴くことで、複数楽曲を同じ感覚に整えていくのか。ここは全てのDTMer必見の内容です!


おわりに

今回のセミナーでは「マスタリング」に焦点を当ててWaves Goldバンドルでしっかりと音を突き詰めていくことができました。
マスタリングが何かを知らない方から、今まで感覚的にマスタリングをしていた方も、非常にためになった方が多いのではないでしょうか?この機会に自分の楽曲を一度見直してみても面白い発見があるかもしれません!

今回の動画内で使用したStudio Rackのプリセットはこちらからダウンロードできます。Goldバンドルをお持ちの方はぜひお手元でも試してくださいね!

それでは!

出演者プロフィール


かごめP(エンジニア/ボカロP)

ミックス/マスリングやボカロPとしての活動に加え、結月ゆかり・紲星あかりプロデュース・チーム“VOCALOMAKETS”にもメンバーとして参加。

制作実績(note)

人気記事

リズム隊のミックスTips! – Vol.7 ギター前編
リズム隊のミックスTips! – Vol.7 ギター前編

「リズム隊のミックスTips」。今回はギター前編です。

リズム隊のミックスTips! – Vol 3.1 番外ハイハット編
リズム隊のミックスTips! – Vol 3.1 番外ハイハット編

おかげさまで好評を頂いている「リズム隊のミックスTips」。イントロダクション、キック、スネアとここまで来ましたので、本日はハイハット編。番外編なので、Vol.4ではなく「Vol-3.1」としています。

もう部屋鳴りに悩まない。AIが不要な反響音を除去〜Clarity Vx DeReverb〜
もう部屋鳴りに悩まない。AIが不要な反響音を除去〜Clarity Vx DeReverb〜

ナレーションやボーカルを録音した際に、部屋の響きで言葉が聞き取りにくかったり、「部屋鳴り感」が強く出て映像や楽曲となじまなかった…そんな経験はありませんか?レコーディングスタジオのように本格的な吸音処

DiGiGrid DLS導入レポート – 鈴木Daichi秀行
DiGiGrid DLS導入レポート – 鈴木Daichi秀行

2013年のNAMMショーで発表され、ネットワークで自由にI/Oを拡張でき、Wavesプラグインが超低レイテンシーで使えるソリューションとして注目を集めてきたDiGiGrid製品ですが、2014年10月、ここ日本でもPro Tools向け

Waves Curves AQ vs Curves Equator: 2つの製品を正しく使い分けるためのTips
Waves Curves AQ vs Curves Equator: 2つの製品を正しく使い分けるためのTips

Waves Curves AQとCurves Equatorが、あなたのミックスのアプローチをどう変えるかをご紹介します。トーンの問題を解決し、音色や存在感を引き出し、これまで以上にスマートかつスピーディにプロフェッショナルな仕

リズム隊のミックスTips! – Vol 3 スネア処理編
リズム隊のミックスTips! – Vol 3 スネア処理編

好評連載中、オフィスオーガスタの佐藤洋介さんによる「リズム隊のミックスTips」。今回は3本目となるスネア処理編です。BFD3を使用したTips記事ですが、他社のドラム音源でも、実際のドラムレコーディングでも有効

人気製品

Ultimate
Abbey Road Reverb Plates
Abbey Road Reverb Plates

1950年代に生まれたプレートリバーブは、現在まであらゆる音楽レコーディングに欠かせない要素であり続けています。60〜70年代、ビートルズやピンク・フロイドを始めとする先駆的バンドに頻繁に使用されたのがアビー

Ultimate
API 550
API 550

60年代後半に誕生し、API独特のパワフルかつ滑らかなキャクターを決定づけた伝説的レシプロ・イコライザーを、プラグインで再現

Ultimate
Essential
C4 Multiband Compressor
C4 Multiband Compressor

C4は、マルチバンド・ダイナミクス・プロセッシングのパワーハウス。あらゆるダイナミクス処理をマルチバンドで解決します。4バンドのエクスパンダー、リミッター、コンプに加え、ダイナミックEQとスタンダードなEQ

Ultimate
Clarity Vx DeReverb Pro
Clarity Vx DeReverb Pro

より高速なダイアログ編集ワークフローへようこそ - これまで以上に強力に、正確に、コントロールしながら、音声からリバーブを除去します。Clarityの先駆的なAIテクノロジーは、録音を瞬時に、そしてリアルタイムで

Ultimate
Codex Wavetable Synth
Codex Wavetable Synth

Waves Codexは、グラニュラー・ウェーブテーブル・シンセシス・エンジンを基本とする最先端のポリフォニック・シンセサイザーで、Wavesのバーチャル・ボルテージ・テクノロジーを採用、VCF、VCA などを搭載する実際

Ultimate
Clavinet
Clavinet

スティービー・ワンダーの「Higher Ground」や「Superstition」、ビリー・ブレストンの「Outta Space」など、ファンキーな音楽にクラビネットの音を取り込んだヒット曲は数多くあります。1970年代、ファンキーなディ

Ultimate
dbx 160 compressor / limiter
dbx 160 compressor / limiter

オリジナルのdbx® 160は、1970年代の他のコンプレッサーと比べ、非常に歪みが少なくクリーンなサウンドで、特にドラムのコンプレッサーとして評価されてきました。入力信号に素早く反応するdbx 160コンプレッサーは

Ultimate
Eddie Kramer Bass Channel
Eddie Kramer Bass Channel

Eddie Kramer、ベースチャンネルを語る: 「Eddie Kramer Bass Channelの背後にあるアイデアは、威圧的にならず切り裂くような、プレゼンスたっぷりのファットベースを作り上げるということ。一般的に中低域に特徴を

Products
Promotion
Solution
Contents
Support
Company
Instagram YouTube