Waves MultiRack内のプラグインを外部MIDIコントローラーで操作する
Waves MultiRackは、従来アウトボード・ラックで行っていたエフェクト処理をプラグインに置き換える、ライブ・サウンド専用に開発された、プラグイン・プラットフォームです。アリーナクラスのライブ・コンサートで、FOH用大型コンソールの横にMultiRackの画面が表示されているのを見かけた方も多いのではないでしょうか?
MultiRackのプラグインをコントロールするには、マウスでの操作やタッチスクリーンを利用する場合が多いですが、実はMIDIでコントローすることが可能です。エフェクトのパラメーターをリアルタイムに変化させたい場合に、とても操作がしやすくなる便利な機能です。ここでは、そのために必要な手順を説明します。
2020.01.01
1. MIDIコントローラーの設定
MultiRackのpreferenceの中にあるMIDIを開き、MIDI inに任意の接続したMIDIコントローラーを選択します。 今回はKORG nanoKEY Studioでコントロールするので、KORG nanoKEY Studioを選択します。
MIDIコントローラーの選択が完了したら、MIDI/Keyboard Setup Fileの右下にあるOpen Editorを押してください。 べつウィンドウでREMOTE CONTROLLER EDITORが開かれるので、ここでどのツマミをどのパラメーターに割り振っていくか設定を行います。
2.MIDIコントローラーアサインの設定
REMOTE CONTROLLER EDITORの概要
- Navigation:MIDIボタンを使用して、ラック内の特定のプラグインを選択、編集するためラック間を移動できます。アサインされたMIDIコントローラーに触れると リコールできる最大8つの「ホット・プラグイン」を追加でアサインできます。都度、ラックをナビゲートすることなく、アクセスしたいプラグインに素早くアクセスできるようになります。
- Plug-in Controls:ラックやプラグインを選択すると、ラック(レベル、On/Off、入出力など)やプラグインのパラメーターを直接コントロールできます。プラグインコントローラーではプラグインのコントローラーストリップに表示される8つのノブと8つのボタンが設定できます。
- SnapshotRecall:スナップショットのNext/Previousをコントロールできます。 更に特定のホット・スナップショットを直接呼び出すこともできます。
- Rack Controls:ラックの On/Off、Rack In/Out、Muteに加え、ラックのInput/Output Gainにもコントローラー をアサインできます。
REMOTE CONTROLLER EDITORの設定
Navigation、Plug-in Controls、SnapshotRecall、Rack ControlsのMIDIコントローラーにアサインしたいパラメーターをマウスでクリックすると黄色く点灯します。
この状態でMIDIコントローラーでアサインしたいノブや、キーを操作すると黄色く点灯したパラメーターに操作したキーが割り当てられます。
*Plug-in Controls、Rack Controlsには音階のデータのあるキーやPADはアサインすることができません。Navigation、SnapshotRecallにはアサイン可能です。
*同じキーで複数コントロールを行うことはできません。
3.実際の動作について
設定が完了したので、実際にMIDIコントローラーでプラグインのパラメーターを動かしましょう。
参考に挙動と変化がわかりやすいGTR3 Stomps Distortionを使用してみます。
アサインされたノブの動きに合わせてGTR3 Stomps Distortionのノブが動くことを確認できたと思います。しかし、このくらいのパラメーター量ならツマミの位置を覚えるのは容易ですが、毎回違うプラグインをコントロールするときに一体どこを触ればばどこが動くのかいまいちわかりにくいかと思います。その問題を解決するのがController Stripです。
MultiRackのView内の、Show Controller Stripを押し、Controller Stripを開くことで、今どのつまみでどのパラメーターを操作しているのかを視覚化できるようになります。
このController Stripは、REMOTE CONTROLLER EDITORのPlug-in Controlsと対になっています。
また、多くのプラグインは16個のパラメーターだけではコントロールできないものが多いと思います。他のパラメーターも動かしたいときは、Plug-in ControlsのPrev Page、Next PageにキーをアサインすることによりController Stripのページが切り替わり他のパラメーターをコントロールすることが可能になります。
このページではMultiRackのプラグインのパラメーターをMIDIコントローラーで操作する方法について紹介しましたが、シーン切り替えや、プラグインセレクトなどもMIDIコントローラーにアサインすることでより素早く任意のコントロールを行えるようになります。
プロモーション
人気記事
DiGiCoコンソールでWavesプラグインを使用する
Grammy®を受賞したWavesが誇るリバーブ、EQ、コンプ、リミッター、ディレイなどのプラグインを、DiGiCo SDシリーズやS21コンソールから直接コントロールすることが可能です。Wavesプラグインは最高峰のレコーディン
AVID VENUE | S6LでWavesプラグインを使用する
Grammy®を受賞したWavesが誇るリバーブ、EQ、コンプ、リミッター、ディレイなどのプラグインを、AVID VENUE | S6L から直接コントロールすることが可能です。
Wavesプラグインをstuderで使用する
StuderコンソールでWavesプラグインを使用するためのセッティング例をご紹介いたします。
最新ライブ環境で活躍するDiGiGrid IOS FOHエンジニア佐々木優
様々な入出力のオプションが用意されているDiGiGrid製品の中で、8イン/8アウトのアナログ入出力とプラグイン処理を行うサーバー機能を搭載したオールインワンボックスが、DiGiGrid IOSである。DiGiGrid製品の中でも
Waves LV1コンソール用 拡張フェーダー「eMotion LV1 Control」2026年2月発売予定
LV1 Controlは、eMotion LV1 Classicデジタル・ミキシングコンソール用のフェーダー拡張ユニットとして設計されたプレミアムなコントロールサーフェスです。モジュラー式のeMotion LV1システムのフェーダーバンクと
WavesプラグインをLAWOで使用する
LAWOコンソールでWavesプラグインを使用するためのセッティング例をご紹介いたします。
人気製品
eMo Generator
ピンク/ホワイト・ノイズ/正弦波から選択して信号を出力、直感的な操作が可能なマルチタッチ対応のシグナル・ジェネレーター eMo Generatorは、ライブ・ワークフローにおける音響測定やチェックに便利なシグナルジェ
eMo IEM
eMotion LV1 Session Editor
注意事項:LV1 Session Editorは音声の入出力は行えません。eMotion LV1 Live Mixerのセッションを事前にセットアップするための製品です。
SoundGrid Proton Server
Wavesの最も手頃なDSPサーバーであるSoundGrid Proton Server は、スタジオやライブでミキシングする際にコンピューターの負荷を軽減し、より多くのプラグインに対応するプロセッシングパワーを提供します。
SuperRack One-C Combo
ライブ・コンソールでWavesプラグインでのエフェクト処理を可能にするSoundGrid SuperRackとSoundGridのミドルクラスDSPエンジンServer One-Cのセット品です。 コンソールごとのSoundGrid I/Oと組み合わせてご活
Titan Server (X14)
Waves史上最もパワフルなサーバーであるTitanは、何百ものWavesプラグインを低レイテンシーで処理し、あなたのミックスをスーパーチャージします。
WSG-HY128 I/O Card for Yamaha RIVAGE PM Consoles
WSG-HY128カードとSoundGrid DSPサーバーをYAMAHA RIVAGE PMシリーズ・コンソールに追加することで、コンソールの各入力チャンネルやバスにWavesプラグインを超低レイテンシーでインサートすることが可能になります
DiGiGrid MGR
DiGiGridラックマウントタイプのクワッドMADIインターフェースです。96kHzで最大128チャンネルの入出力が行える、DiGiGrid MGB/MGOインターフェイスの上位版です。1Uシャーシに収納され、冗長電源とEthernetのスイ