もしも、もう1つのCPUが制作を助けてくれたら
今では数十トラックのセッションも当たり前になり、CPUが早くなったと言えども、エフェクトやソフトシンセを使っていると、ミックスの最終段階ではCPUぎりぎりの状態になることもあるでしょう。さらに96kHzなどのハイレゾになると、CPUもあっという間に限界に...
このブログでは、SoundGrid Serverを使うことで、どれだけ軽減化できるか、シリーズとしてベンチマークを掲載していきます。
2020.01.01
SoundGrid Serverは、プラグインを外部でかけるイーサネット接続のユニットです。CPUの軽減化、レイテンシーの短縮など、音楽制作には大きなメリットがあります。
テスト用のセッションファイル
テストにはLEWITTマイクロフォンを総動員してレコーディングされた、無償でダウンロード可能なセッションファイルを使用します。
検証状況を皆様の環境でも比較しやすいように、共通のファイルにいたしました。
このファイルは、マルチチャンネルのオーディオデータで、"ミックスしようよ!コンテスト"の素材として配布されました。サウンド、プレイともに無償にて高品位なマルチチャンネルファイルが自由にダウンロードいただけます。ご自身のミックスの練習にもご活用いただけます。
SoundGrid Serverを導入することで、どの程度ご自身のご利用の環境の負荷が軽減されるか、イメージしてみてください。
第一回目 〜一般的なミックスでサーバーを使った時は、どの程度CPU負荷が減るのか〜
弊社セミナー、”ミックスがうまくなるセミナー”で使用されるミックスデータをサンプルにしました。
*このセミナーは、全国の販売店、セミナールームで不定期に開催されるセミナーですが、ベーシックなものから最新のプラグインの詳細な使用方法を紹介する、大好評のセミナーです。機会がありましたら是非こちらもご参加くださいね。
各パラの楽器パートとボーカル、そしてマスタートラックと、一般的にミックス、マスタリングを行う上で各トラックにプラグインがアサインされています。
第一回目はベーシックな内容として、通常のトラック処理ではどの程度サーバープロセスが効果的か、チェックしてみました。
チェック環境
- Waves Impact Server
- DiGiGrid D
- iMac 2017 27” Core i5 3.4GHz
- Pro Tools 12
- Mac OS HighSierra
どのくらいのプラグインがアサインされているか
SoundGrid Serverを使う場合、StudioRackを使用しますが、視認性の都合上、実際に使用するプラグインも表示しています。
一番左がマスタートラック、その他上の段にアサインされているのが、各パートのバスミックストラックです。*再生時はこれらの個別プラグインはオフにします。
CPU使用率
Native(全てのプラグインをCPU処理)
おおよそPro Toolsのプラグインメーター上では、70%前後に振れています。
SoundGridサーバー(非対応のL3-16を除く、全てのWavesプラグインをサーバー処理)
おおよそPro Toolsのプラグインメーター上では、7〜10%程度に振れています。
いかがでしょうか?
ほとんどのプラグイン処理をサーバーに回すことで、大幅にコンピューター本体のCPUを軽減させることができます。
CPUはソフトウェアシンセに回すことができますので、より多くのソフトウェアシンセやプラグインを使うことが可能です。
さらにサーバー処理のメリットとして、プラグインのプロセスがダイレクトに行えるため、レイテンシーも軽減されます。
ボーカルのモニターエフェクトや、GTRやPRSギターアンプエフェクトのかけ録りなど、CPUだけの環境では難しかった録音も実現可能になるのです。
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