一瞬でサウンドに輝きを - Vitamin Sonic Enhancer
その名に“Gold”の称号を冠したWaves Goldバンドル。ミックスを一段と輝かせるためのプラグインがそろっています。その中でも、「Vitamin Sonic Enhancer」は文字通り音に“ビタミン”を加えるような役割を果たす、魅力的なエンハンサー系プラグインです。
2025.04.18
自在なサウンドメイク
柔軟な5バンド構成
「Vitamin Sonic Enhancer」には、周波数帯域を自由に調整できる5つのバンドが搭載されています。各バンドはそれぞれ幅の設定が可能で、狭く絞ってピンポイントに使うことも、広く取って全体を包み込むようにかけることもできます。たとえば、100Hzのあたりに狭いバンドを設定してフェーダーを上げると、キックやベースなどの低域に厚みとパワーを加えることが可能です。
一方、5kHz付近を狙って持ち上げれば、ギターやキーボードのソロ、リード楽器にエッジ感を加え、より抜けの良い存在感を与えることができます。音色や役割に応じて自由に帯域を操作できるので、ジャンルを問わずあらゆるミックスに対応できる柔軟性が魅力です。
ステレオイメージ調整
「Vitamin Sonic Enhancer」が他のエンハンサーと大きく異なる点は、各帯域ごとにステレオイメージを調整できるところです。単なる音量の上げ下げだけでなく、音の「広がり」をデザインすることができます。
たとえば、100Hz以下の低域はモノラルに近い状態で処理し、楽曲の土台となる安定感を保ちつつ、中高域ではパッドやオーバーヘッドなどに広がりを持たせることで、空間的な演出や奥行きのあるミックスが生まれます。
周波数ごとに独立したステレオ処理ができることで、音像の輪郭や立体感を繊細にコントロールでき、ミックスにおける自由度と創造性が格段に向上します。
マスタリングだけでなく、パート単体への活用も◎
「エンハンサー」と聞くと、マスタリングやミックスの最終段階で使う印象が強いかもしれませんが、「Vitamin Sonic Enhancer」は各楽器やパート単体にも非常に効果的です。
たとえば、ボーカル、ストリングス、シンセ、サウンドエフェクトなどに個別で挿すことで、前に出したいパートを際立たせることが可能です。さらに、ギターのカッティングにステレオイメージを広げる処理を加えることで、リズムに新しいグルーヴや広がりを演出することもできます。
特に、音数が多く複雑な構成が求められるJ-popやEDMなどのジャンルでは、「Vitamin Sonic Enhancer」が持つ“スパークル感”が大きな武器に。華やかさとクリアさをミックスに加える強力なプラグインとして活躍してくれます。
マスターフェーダー&レイテンシー0の強み
もうひとつ注目したいポイントが、各バンドの右側に配置されたマスターフェーダーの存在です。これは、バンドごとの作業を済ませた後に、全体を一括で調整できるもので、直感的でスピーディーな操作が可能です。全体の音量感の調整だけでなく、マスターフェーダーを活用して転調や繰り返しのサビで盛り上げるなどアイデア次第でさまざまな使い方もできます。
さらに、「Vitamin Sonic Enhancer」はレイテンシー0のプラグインであるため、スタジオでのミックス作業だけでなく、ライブ現場でも即戦力として活躍します。現代の音楽制作において非常にありがたい特徴です。
人気記事
リズム隊のミックスTips! – Vol.7 ギター前編
「リズム隊のミックスTips」。今回はギター前編です。
リズム隊のミックスTips! – Vol 3.1 番外ハイハット編
おかげさまで好評を頂いている「リズム隊のミックスTips」。イントロダクション、キック、スネアとここまで来ましたので、本日はハイハット編。番外編なので、Vol.4ではなく「Vol-3.1」としています。
もう部屋鳴りに悩まない。AIが不要な反響音を除去〜Clarity Vx DeReverb〜
ナレーションやボーカルを録音した際に、部屋の響きで言葉が聞き取りにくかったり、「部屋鳴り感」が強く出て映像や楽曲となじまなかった…そんな経験はありませんか?レコーディングスタジオのように本格的な吸音処
DiGiGrid DLS導入レポート – 鈴木Daichi秀行
2013年のNAMMショーで発表され、ネットワークで自由にI/Oを拡張でき、Wavesプラグインが超低レイテンシーで使えるソリューションとして注目を集めてきたDiGiGrid製品ですが、2014年10月、ここ日本でもPro Tools向け
Waves Curves AQ vs Curves Equator: 2つの製品を正しく使い分けるためのTips
Waves Curves AQとCurves Equatorが、あなたのミックスのアプローチをどう変えるかをご紹介します。トーンの問題を解決し、音色や存在感を引き出し、これまで以上にスマートかつスピーディにプロフェッショナルな仕
リズム隊のミックスTips! – Vol 3 スネア処理編
好評連載中、オフィスオーガスタの佐藤洋介さんによる「リズム隊のミックスTips」。今回は3本目となるスネア処理編です。BFD3を使用したTips記事ですが、他社のドラム音源でも、実際のドラムレコーディングでも有効
人気製品
Abbey Road Reverb Plates
1950年代に生まれたプレートリバーブは、現在まであらゆる音楽レコーディングに欠かせない要素であり続けています。60〜70年代、ビートルズやピンク・フロイドを始めとする先駆的バンドに頻繁に使用されたのがアビー
API 550
60年代後半に誕生し、API独特のパワフルかつ滑らかなキャクターを決定づけた伝説的レシプロ・イコライザーを、プラグインで再現
C4 Multiband Compressor
C4は、マルチバンド・ダイナミクス・プロセッシングのパワーハウス。あらゆるダイナミクス処理をマルチバンドで解決します。4バンドのエクスパンダー、リミッター、コンプに加え、ダイナミックEQとスタンダードなEQ
Clarity Vx DeReverb Pro
より高速なダイアログ編集ワークフローへようこそ - これまで以上に強力に、正確に、コントロールしながら、音声からリバーブを除去します。Clarityの先駆的なAIテクノロジーは、録音を瞬時に、そしてリアルタイムで
Codex Wavetable Synth
Waves Codexは、グラニュラー・ウェーブテーブル・シンセシス・エンジンを基本とする最先端のポリフォニック・シンセサイザーで、Wavesのバーチャル・ボルテージ・テクノロジーを採用、VCF、VCA などを搭載する実際
Clavinet
スティービー・ワンダーの「Higher Ground」や「Superstition」、ビリー・ブレストンの「Outta Space」など、ファンキーな音楽にクラビネットの音を取り込んだヒット曲は数多くあります。1970年代、ファンキーなディ
dbx 160 compressor / limiter
オリジナルのdbx® 160は、1970年代の他のコンプレッサーと比べ、非常に歪みが少なくクリーンなサウンドで、特にドラムのコンプレッサーとして評価されてきました。入力信号に素早く反応するdbx 160コンプレッサーは
Eddie Kramer Bass Channel
Eddie Kramer、ベースチャンネルを語る: 「Eddie Kramer Bass Channelの背後にあるアイデアは、威圧的にならず切り裂くような、プレゼンスたっぷりのファットベースを作り上げるということ。一般的に中低域に特徴を